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夏のある日と仮面ライダー(織田+高耶)

2009.10.03 Sat 03:21

 おれの家にはテレビが一個しかない。直江の家には3個もあるのに。妹優先のうちでは、俺の見たい番組は後回し。おちおち仮面ライダーも見てられない。おやじに行言ってももらうのはゲンコツだけ。直江んちに行って見てろと言われる。でもそこまで行くにはちょいとめんどうくさい。サンタさん。おれ、プレゼントがテレビがいいです。

「もらえるはずがないだろ」

 ばか高耶。締めを最悪なオチでくくって、そんな俺の期待をぶったぎるようにして茶々いれてきたのは、俺の目の前でハーゲンダッツ(小学生のくせして生意気だろ)を貪っている斯波英士。通称のぶ(と俺は呼んでいる)。俺の学校違いの同級生で、いつも偉そうにしてやがるキザ野郎だ。

「…いちるの望みにかけるってやつだよ」
「ばーか、何かっこつけてんだ。お前、本当にガキだな。」
「なんだとぉ!」

 一々挑発に乗ってしまうのは、もうクセのようだと思う。幼稚園年少からこっち、いつも一緒にいる相手だから仕方がない。おれがいま、やつの襟掴んで引き寄せても、ちっとも怒りはしないんだから、お互い慣れたもんなんだ。
 勢いよく、とはいっても、おんなじくらいの身長のせいで、そんなにカッコつかないこの体制。あいかわらずアイスを食っているこいつは、俺の視線に気づくと、反応して言い返してくるどころか

「なんだ、食べたいのか?」

 と聞いてくる。さっきまで上がっていたボルテージも全部下がって、やるせなさだけが残った。こいつに何言っても無駄だ。俺のささいな願望さえ蹴って捨てやがる。ちっと舌打ちして、また横のブランコに座る。夏の早い夕焼けが、さっきまでの熱気を下げていく。俺は一息つくとブランコをゆらし、勢いよくこぎ始めた。風が頬に当たるのが気持ちいい。そうしながら頭を冷やしていると、横から声がかかった。

「俺んち来ればいいんじゃないのか」
「え?」

 始めはナニを言ってるのか分からなかったけれど、首だけを横に向けて、揺れる視界の中でのぶを見ていると、のぶはふ、と、いつもの不敵な笑顔を浮かべて、言ってみせた。

「最初から俺の家に来ていれば、仮面ライダーくらいいくらでもビデオで見せていた、と言ってるんだ。」

 目を点にした俺と、そんな俺を愉快そうに見つめるのぶ。
 とりあえず、この後のぶの家に止まりに行くのは決まりということで。

→小学生高学年あたりの話。ふたりはマブダチ。
side MOUKO 2009/09.03
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